開封レビューはこちら
昨年はノイズキャンセル戦争時代に突入した。
上半期にはノイキャンの大先輩ソニーは完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000MX3」を投入 従来製品を圧倒するノイズキャンセルで業界最高レベルのノイキャンを誇った。
9月には、Appleが「AirPodsPro」を投入すると一般層にもノイズキャンセルが浸透し、3月になるまで在庫不足は解消されなかった。
そんなノイズキャンセル元年となった2019年の最後を飾り 従来のノイズキャンセルイヤホンの概念を一転させる製品が12月になりHUAWEIから発売され 一部からは話題をさらった。
そう それがHUAWEI「Free Buds3」だ
ということでいかなる性能を持っているのか今まで使ってきたノイズキャンセルイヤホン「WF-1000XM3」と比較しながらレビューしていく
筆者は「AirPods」「AirPods2」「WF-1000MX3」と完全ワイヤレスイヤホンを使用してきたが、ほかのイヤホンとはどう違い どこが優れていて どこが欠点かについて述べていく
・開放型の手軽さとノイキャンの静寂を両立
筆者は普段 外ではWF-1000XM3を使用している
WF-1000XM3は音質がよく また業界最高クラスのノイキャンはだてではなく 電車の嫌なモーター音などもカットしてくれるため非常に活躍した
しかし走った際にはノイズが乗りまくって使い物にならないというのがあり、また全く安定せず(何種類かイヤーピースを変えても)何度も装着中に落としかけてしまった。
一方 AirPodsはその点魅力的で走っても安定しているし、ノイズが載ることもない
しかし、周囲からの音が良くも悪くも入ってきてしまうという欠点があった
正直電車やバスに乗ってる時にはあまり使いたくなかったというのが本音だ
今回のFreeBuds3はそんなわがままを難なくこなすことだ
「手軽な装着感」+「ノイズキャンセルの静寂」を一台で両立できる点にある。
なぜそんなことが可能になったのだろうか
上記の写真通り Free Bods3はWF-1000XM3とはデザインがそもそも大きく違う
Free Bods3はAirPodsと同じような開放型のデザインを採用している
一方でWF-1000XM3はカナル型方式を採用
WF-1000XM3が採用するカナル型方式はイヤーチップを耳の穴に埋め込むため外音を物理的にも遮断し、より効果的なノイズキャンセルと高音質を実現している
しかし、耳の穴を完全に塞いでしまうため、圧迫感があり また耳の穴に押し込む動作が必要となり手軽さはどうしても劣ってしまう。
AppleがEarPodsやAirPodsで開放型を採用してきたのも、より手軽さを追求してきたためだろう
だが、FreeBudsは開放型であるにもかかわらず、ある程度の静音性を実現してきた。
それを可能にしているのが「アクティブノイズキャンセル」である このアクティブノイズキャンセルが今回の鍵となっている
・ノイズキャンセル性能は
正直甘くみていた 不審ながらもノイズキャンセルモードを選択すると、開放型イヤホンとは思えないほど周りの騒音がシャットアウトされる。人の声はシャットアウトされないためノイズキャンセルをかけたまま会話することも可能となっている。
一方 ノイズキャンセルを切れば、イヤホンなどまるでつけいないかのような開放感がある。
家の中でここまですごいと色々実験してみたくなり、ノイズキャンセルモードでバスに乗ると、不快なロード音やディーゼルエンジンの騒音が.....
隔てているかの如く軽減される。
従来の開放型とは全く異なる新感覚だ
・アプリで手軽にノイズキャンセルは調整可能
因みに「HUAWEI AI Life」というアプリを使えばノイズキャンセルの効き具合を調整できるのだが、現在Androidのみでの提供となっており 恐らく今後の提供予定もないだろう
筆者の手元には現状AQUOS Xx2 miniというAndroid5.0の旧式のAndroid端末しか持っていないが問題なくインストールし、使うことができた。
WF-1000XM3では20段階から調整できたが、こちらはリングによる回転式となっており、自分の好みの具合で留めるものとなっている。
他のブログの方によっては、デフォルトの具合でも十分使えると言っている方もいたが、個人的には調整しないと全くと言っていいほどノイズキャンセルの効果は実感できなかった。
ソニーのアプリとは異なり簡単な調整のほか 左右の機能割り当てくらいしか機能はない
・地鳴りがしない
WF-1000XM3ではイヤホンをつけたまま歩くと、不快な地鳴りがしてあまり音楽に集中できる物ではなかった。
しかし、FreeBuds3は開放型という特徴のため 地鳴りや咀嚼音といった不快な物がなくいつでも快適に音楽が聴けるのはとても良かった。
・音質が意外と良い
正直 AirPodsくらいの音質だと思っていた
しかし、開放型で苦手な低音が強化されており、非常に快適だ
かといって、バランスもあまり崩れておらず聞き疲れしにくいチューニングとなっているのも魅力的だ
・通話のクオリティ
骨伝導などが採用されているだけあって、風切り音などを拾わず かなりクオリティの高い通話品質が保たれている
自転車に乗りながら通話することもある筆者しとっては嬉しいことだ(なお条例により首都圏を中心として完全にアウトな県も増えている。条例をよく確認し、自己責任でご利用ください)
・typeC端子とワイヤレス充電のダブルで対応
type Cに対応している為 多くのAndroidスマートフォンで共用できる
iPhoneユーザーとしても8以降で対応しているqiワイヤレス充電に対応している為安心して使うことができる
残念なポイント
・ノイキャンが若干不安定
これは完全に開放型という特徴な問題であろうが、ノイキャンがめっちゃ効く瞬間があったり 一瞬 周囲音が聞こえだすといったのがあり、開放型である為多少の耳の動きによってダイレクトに聞き具合に直結することがある
・充電持ち
ノイズキャンセルというバッテリー爆食いシステムをこの個体サイズに押し込んだ為 ノイズキャンセル時には3時間ほどしかバッテリーが持たない
新品時でこれというのはなかなか不安材料である
恐らく、ノイキャンオフの場合にはカタログ通り4時間くらいは持つであろう
AirPodsが5時間 WF-1000XM3に至ってはノイキャンで5時間だったことを考えると心許ない
・安っぽい
ケースに入れるときの感触は安物感をどう考えても払拭できておらず マグネットで吸着されるのだが、WF-1000XM3やAirPodsのような気持ちの良く吸着されるというよりは、入れるような感じなのだが、正直AirPods使ったことのある方でないとわかってもらえない気がする...
・装着感は劣る
装着感としては、AirPodsに形状が似ているだけあってよく似ている
しかし、抜群に装着感の良いAirPodsと異なり 若干おさまりが悪い感じはある
AirPodsを10とすると8くらいの装着感だ
しかし、カナル型と比べると安定しているし、バッテリー切れるまで入れっぱなしだったとしても痛くならないので、好感が持てる
正直 ここはあまりデメリットにはならないかと思う
AirPodsが上手く収まる方なら問題ないと思う
・取り出しにくい
形状などもよく似ているにもかかわらず 本体がケースから抜き取るにつかみにくいのは大きなデメリットだ
WF-1000XM3やAirPodsと比べるとダントツで取り出しにくい
追記 慣れればそこまで悪くはなかったです
突起の部分に爪をかけて取り出すと持ちやすく落としにくいです。
・自動で止まらない
片耳から外しても音楽は止まらず、ケースに入れるまでは鳴り続ける使用だ
その為寝ながら使うのはお勧めできない
iPhoneXSMAXとAQUOS Xx mini2 でのみの体感のため もしかしたらHUAWEI端末なら自動で止まるかもしれない
WF-1000XM3が端末問わずに片耳外すと止まる仕様のため、ここは若干のマイナスポイントだ
ただ、AirPodsを真似るならせめてAndroid端末だけでも止まる仕様にして欲しかったところ
総評 Androidユーザーには期待の製品
AirPodsが使えないAndroidユーザーにとっては期待できるのではないかと思う
細かい作りはAirPodsに劣るものの、ノイキャンやワイヤレス充電付きで2万を切る価格設定には好感が持てる
既に発売から4ヶ月が経ち一部では値段も1万5千ほどまで落ちている
HUAWEIのスマートフォンのコスパはイヤホンでも受け継がれているようだ
途中で何度も述べたように、個々の好み、こだわりポイントの違いによっても変わってくる。
実際に試せる場所が近くにある方は、ぜひ比べて使ってみてほしい。2つの製品はどちらもハイレベルだが、異なる方向を目指しているということがよくわかるはずだ。